SP広告とは | 特徴や効果、媒体の種類など

広告業界でよく耳にするSP(セールプロモーション)広告。SP広告は商品・サービスの販売促進を前提に作成される広告物です。ブランディングや認知度向上といった目的で作成される広告物とは区別して考えられることが多くなっています。

ビズ男(初心者)

セールスプロモーションっていう言葉は確かによく耳にします。

でも改めて「これはセールスプロモーションですので」みたいに言われたことはあまりないように思いますけど……。

ビズパ先生

実際の商品を買ってもらうために行う活動全般をセールスプロモーションと言ったりしますからね。

企業にとっては多くの宣伝広告活動がセールスプロモーションに該当するため、改めて口にすることは少ないかもしれません。

ビズ菜(ベテラン)

でもセールスプロモーション以外の広告物も存在するんですよね?

販売促進以外の広告……そんな広告物ってあまり多くないように感じるのですが……。

ビズパ先生

実はセールスプロモーション以外の目的で作られる広告もそんなに少なくないんですよ。

それでは、まずはSPとその他の広告について簡単に見てみましょうか。


SP(セールスプロモーション)広告とは?

SP広告とは、様々な広告手法の総称として利用される言葉です。

SP広告は、テレビや新聞などのマス広告・インターネット(WEB)広告以外の広告手法全般を指します。それ以外のほとんどの広告手法がSP広告になるため、SP広告という言葉には様々な種類の広告手法が含まれていることになります。

「SP(セールスプロモーション)」と「広告」の違い

「セールスプロモーション」は販売促進と訳される言葉で、商品・サービスの購買行動を直接的に喚起させるような宣伝活動全般を指します。対して「広告」とはセールスプロモーションを行う際に利用されるツールの1つであり、認知度向上のための宣伝用途にも使用されています。

ビズ男(初心者)

なるほど。つまり直接商品やサービスのお得情報などが記載されている広告がSP広告ということですね。

企業ロゴとキャッチコピーを使った、企業の認知度向上が目的の広告はSP広告とは呼ばない、ということですか?

ビズパ先生

その通り、ブランディングのみが目的の広告物はSP広告とは呼ばないようです。

今では大企業でしかあまり見かけなくなってきましたが……。

ビズ菜(ベテラン)

SP広告が増えてきたのは、広告物に大きな費用をかけない企業が増えてきたことが背景にあるみたいですね。

SP広告に比べるとブランディングや認知度向上の広告物の方が制作にかかる費用が高い傾向があるんですよね。

SP広告の種類と特徴

SP広告とは、販売促進に利用される広告物全般を指すため、その中には数多くの広告手法が含まれます。それぞれに異なった特徴やメリットがあるため、セールスプロモーションの一環として広告宣伝を行う場合は、媒体ごとの特性を把握し、商品・サービスに合った媒体を選択しましょう。

フリーペーパー

フリーペーパーは駅やコンビニ、スーパーマーケットなど人の往来が多い箇所で、無料配布される冊子です。広告主からの広告費でのみ運営されているため、消費者が無料で気軽に手に取れる点が魅力の1つです。

また、エリアを絞って配布するため、地域や場所によっては年齢・性別、趣味など細かいターゲティングが可能な広告手法です。

会員誌

会員誌(会報誌)とは、ある組織に属する特定の会員のために定期発行されている冊子です。中には数万人規模の会員データを持っている誌面もあり、ジャンルで絞ったターゲティングが可能な点が大きな特徴です。

DM(ダイレクトメール)広告

DMは広告主から消費者(個人・法人)に直接広告物を送付する広告手法を指します。

古くは郵送DMが主流でしたが、最近ではEメールを使ったメールDMも市場を拡大させています。既にあるデータを基に直接配布できるため、ターゲティングができる点や、効果測定が容易な点などが主なメリットです。

POP広告

POP広告は最もポピュラーなSP広告で、コンビニやスーパーマーケットなど商品を販売する施設内に掲示する広告全般を指します。

商品のラインナップや売れ行きなどリアルタイムな現場の状況に合わせて広告を掲示するため、即効性の高いSP広告です。ヴィレッジヴァンガードなど、個性豊かなPOPで店の雰囲気を作っている企業事例もあります。

チラシ折込

チラシ折込は新聞紙面に挟み込む形で広告物を消費者に届ける広告手法です。新聞というマスメディアを利用するため、広告物に対して感じる信頼性も高くなる傾向にあります。

新聞は全国各地の個宅へ配布されているため、エリアを絞った細かいターゲティングが可能な点がメリットの1つです。デメリットとしては、他のチラシに埋もれてしまうため消費者に見られる工夫が重要です。

交通広告

交通広告はバスや電車、タクシーなどの交通機関を利用した広告手法です。電車やバスは通学や通勤で毎日決まった時間に乗車する人も多いため、繰り返し宣伝広告が見られる反復性の高い広告手法です。

最近ではバス、電車やタクシーの運転席の後部などデジタルサイネージを利用した広告出稿も主流になりつつあります。多くの人に見られる場所であればあるほど費用は高くなる傾向にあり、気軽に利用できないケースも多いのが難点です。

屋外広告

屋外広告は看板広告など屋外で掲出される広告物全般を指します。最近では大小様々なデジタルサイネージが普及し、屋外広告でも多くのデジタルサイネージを見かけるようになりました。

古くからある看板広告と違い、広告出稿の手間が少ないため短期間から広告出稿が可能な広告枠も増えています。実際の建造物を利用して広告出稿することが多いため、エリアターゲティングが可能な点や視認性が高い広告出稿が可能な点が主なメリットです。

不特定多数の人にリーチできる広告手法の1つですが、広告が直接購買行動に結びついたかの効果測定が難しい点がデメリットとして挙げられます。

イベントスペース

イベントスペースや展示会スペースへの出展もセールスプロモーション広告の一種です。イベントや展示会への出展は、商品・サービスに興味のある消費者と直接対話する機会が作れる数少ない広告手法です。

予め、どのような消費者の来場が見込めるか想定できるため、細かいターゲティングができる点もメリットです。メリットも多い広告手法ですが、出展するとなると数ヶ月前から申し込みや準備をする必要があり、人的コストも多くかかる点がデメリットです。

ビズ男(初心者)

最初はSP広告って何だろうって思いましたけど、こうやって見るとほとんどがよく見かける当たり前の広告手法ばかりですね。

普段目にしている広告の目的や他の広告との違いをいかに気にしていないかがよくわかりました。

ビズパ先生

制作時に目的は決まっていても『SP広告かどうか』を気にする人は少ないですからね。

ですが、目的によって広告物の在り方も変わってきますし、当然費用も変わってきますので、しっかり理解しておくことは重要かもしれませんね。


SP広告のメリット

SP広告は、インターネット広告とは違い全国的に見ると減少傾向にはありますが、マスメディア広告に比べると安価で利用可能な点や、小規模でも利用でき費用対効果が測定しやすい点など独自のメリットも多い広告手法です。

近年ではコストや運用のしやすさなどからインターネット広告が広告市場を席巻していますが、SP広告のメリットを抑え、どのようなプロモーションにするかによって、効率的かつ効果的な広告手法を選ぶことが大切になります。

比較的低コストであること

SP広告は比較的安価で実施可能な広告手法が多い点が特徴です。

マスメディア広告のように大規模な広告宣伝の場合、一度にかかる費用や準備にかかる時間も大きくなりがちです。

SP広告は『今販売している商品・サービスの宣伝活動』であることが多いため、低コストかつスピード感を持って実施できることもSP広告においては重要な要素の1つです。

効果測定をしやすい

企業の広告宣伝において費用対効果の測定は重要な意味を持ちます。

マスメディア広告や一部のインターネット広告は不特定多数にリーチできる反面、実際の費用対効果が把握しにくいというデメリットもあります。

SP広告の多くは、実際に商品・サービスを購入するところまでの動線も含めて設計されるため、費用対効果の測定が容易です。例えば、クーポン券を添付することで購買意欲を高めるとともに、クーポン券の戻りで効果測定を行う方法なども多く利用されています。

反復性が高い

屋外広告や交通広告はもちろん、折込広告やフリーペーパー、会員誌のように消費者の手元に残るSP広告も消費者に繰り返し広告宣伝が見られる可能性が高い傾向にあります。

反復性の高い広告宣伝は商品・サービスに対する親近感が増し、購買行動への精神的な障壁が少なくなると言われています。反復性の高さはマスメディア広告やインターネット広告にはない、SP広告のメリットの1つです。

ビズ男(初心者)

広告手法によって違うメリットもあれば、SP広告全般に当てはまるメリットもあって難しいですね。

これから出したい広告は一体どの広告手法が最適なんでしょうか……。

ビズパ先生

確かに出稿可能な広告手法が多くなればなるほど選定には迷ってしまいますよね。

そんな時は優先したいターゲティングとリーチ数を中心に考えると良いですよ。

ビズ菜(ベテラン)

サラリーマンがターゲットなら交通広告や屋外広告、会員誌なんかも効果が高そうですよね。

逆に主婦がターゲットの場合はフリーペーパーや折込チラシ、ダイレクトメールなどの自宅でゆっくり見られるものの方が効果は期待できそうです。

ビズパ先生

その他にも見込み客となり得る属性は数多くありますので、どこまで詳細なターゲティングが必要な商品・サービスか、という見極めが大事ですね。

とは言え、広告宣伝はトライ&エラーの部分もありますから、しっかり費用対効果を測定しながらいくつかの広告手法で試してみるというのも良いかもしれませんね。


まとめ

商品・サービスの販売において重要なセールスプロモーション。そのセールスプロモーションにとって重要な広告について解説させて頂きました。

SP広告は多くの業態で当たり前のように利用されているものも多く、改めて考えることは少ないかもしれません。

インターネットの普及以降、新しい広告手法も日々刻々と増え続けています。今使用している広告手法が最も費用対効果の高い広告手法かどうか、これを機に改めて考えてみるのも良いかもしれません。

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