BtoB広告のポイント解説、オフライン広告事例紹介

法人や個人事業主をターゲットとするBtoB企業にとって、広告を中心とした集客戦略にお悩みの方も多いと思います。

見込み顧客獲得のための重要な手段であるBtoB広告ですが、リスティングやディスプレイなどの「オンライン広告(WEB広告)」とテレビ・雑誌・新聞・看板などの「オフライン広告」に大別されます。オンライン広告は属性等によりターゲットに直接配信できるメニューも多いですが、オフライン広告はどうなっているでしょうか?この記事では、オフライン広告を中心にBtoB広告の解説を事例などを交えてご紹介します。

BtoB広告とBtoC広告の違い

BtoC広告とは、一般消費者を対象とした広告です。商品やサービスの個人利用が想定されるため、広告を見た人と購入者・決裁者が同一人物であることがほとんどです。意思決定のスピードが早いことも特徴です。「20代女性」や「60代男性」など商品と合わせて、属性の多いメディアに広告を掲出するほか、影響力のあるタレントやアーティストを起用し、テレビCMやPRイベントを行うことで露出を高め、ブランディングを行うことが中心になります。訴求できるターゲットも比較的多い傾向にあります。

一方、BtoB広告の場合は「企業」がターゲットとなりますが、実際には企業の中でも該当サービスの管轄部門の従業員や管轄部門の管理職・経営者などの決済者になります。車内で利用するシステムのBtoB広告を営業の一担当に訴求しても意味がありません。

BtoC広告に比べ、BtoB広告はリーチできる層は少なく、導入までに検討者・利用者・意思決定者などの複数の関与者が多く、会議や稟議など関連部門による合意が必要で、意思決定まで時間がかかるのが特徴です。そのため、多くの企業が広告のみで導入を決定させるのではなく、BtoB広告でリードを獲得し営業による商談でクロージングしたり、潜在層に獲得しセミナーやメールなどの定期コンタクトを通して導入までフォローしています。また、導入の意思決定には会社やサービスの信頼度も見られてしまうので、信頼性を上げるBtoB広告施策も重要となります。

オンライン広告とオフライン広告

オンライン広告の市場規模は、2019年の電通の調査によると約2兆1000億円でテレビメディアを初めて超えました。その中でも運用型広告は約1兆3200億円で、大きな割合を占めております。

オンライン広告は、

  • 数円から始められる
  • リスティング広告はデザインクリエイティブを用意することなく手軽に始められる。
  • 効果測定が可能、リスティング広告などは効果に合わせて予算を調整できる
  • ターゲティングがしやすい

という特徴があります。

ただ、最近では「競合が多く価格が高騰している」「ネットでリーチできる層に限界を感じている」「同じ人に何回も同じ広告を見せてしまっている」という声もBtoB企業から聞こえてきます。

一方、オフライン広告は、

  • ネットでは届かないリーチ層にアプローチできる
  • 会社のイメージやブランディングに効果がある

というメリットがあります。

オフライン広告には、「リード獲得」の効果だけでなく、ブランド認知や信頼を高めたり、意思決定を促進したりという効果もあります。BtoB企業でも事業をスケールさせる目的でテレビCMを活用する企業が増えています。

ただ、費用対効果が見えづらいというデメリットがあります。また各媒体や商品の情報が統一されておらず、不透明な点も多いため、初心者には難しいと感じられるかもしれません。しかし、サイネージ広告を中心にターゲットとする層に絞ってアプローチができるオフライン広告サービスも増えており、BtoB広告にも活用できる幅が増えております。

最近では、オフラインとオンラインのメリットを総合的に考え、BtoB企業でもオフライン広告でサイトに来てもらい、リターゲティング広告を用いて最終的にリードに結び付けたり、いわゆる「バズる」クリエイティブでSNSの拡散力を利用し、口コミを獲得するなどの施策をするBtoB企業が増えております。

BtoB広告パターン

業界紙に広告

BtoB広告で一般的なのが、各業界紙への広告です。業界関係者を主な読者に想定し、特定の分野に特化した記事を掲載する新聞や雑誌です。

一般のメディアと比べて、BtoBでターゲットが絞れている分、無駄が少ないのが特徴です。一般紙に比べるとリーチに対する単価は高いケースが殆どですが、業界の経営層が読んでいる比率は高くなっています。業界紙の媒体資料内には、読者のターゲットや属性が記入されています。同じ業界をターゲットとした新聞・雑誌でも属性が大きく違うことがありますので、自社の商品サービスのペルソナにあった媒体を選定する必要があります。

税のしるべ

その他の「業界紙(新聞)」はこちら

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オフィス内・ビル内に広告

オフィス内やビル内で広告を展開することにより、ビジネスパーソンへダイレクトに配信可能なBtoB広告も増えております。特にサイネージを利用したユニークなBtoB広告が多く、動画の表現力を利用してピンポイントでリーチします。例えば、「AirKnock Ads」はハイクラスなオフィスビルなどの個室トイレ内に設置されているユニークなサイネージです。誰もが毎日使うトイレだからこそ可能な 「刷り込み効果」 が期待できます。

その他にもオフィス内に設置されたシュレッダーの上部にあるBtoBデジタルサイネージや、オフィス内の冷蔵庫スペースに設置したタブレット端末によるBtoB広告などがあります。

トイレ内プライベートサイネージ「AirKnock Ads」

その他のオフィス内広告はこちら

ビジネス利用者や経営者の多いところに広告

ビルやオフィス内以外でも、ビジネス利用者や経営者が多いところにBtoB広告を掲載する媒体もあります。近年、BtoB広告ではタクシーサイネージが注目を集めました。特に都心は、ビジネスパーソンの利用頻度が高く繰り返し訴求ができ、経営者やエグゼクティブほど利用頻度が上がることから、意思決定者にダイレクトに効果を追求できます。また、タクシー乗車中の待ち時間に広告を見せるので、サービスの内容を最後までしっかり訴求できることから人気になりました。

タクシーサイネージ『GROWTH』

タクシー以外では、電車広告や駅広告もBtoB広告の対象になります。駅単位や路線単位で広告が掲載でき、エリアを絞り込んで、通勤するビジネスパーソンに効果的にアピールできます。電車広告は、SNSとの親和性が高いといわれており、ユニークなキャッチやクリエイティブにより、SNSでの拡散を狙ったBtoB企業も増えています。また、業界のBtoB展示会には、ターゲットとなる企業が非常に多く集まるので、その開催時期に合わせて、展示会場の最寄り駅や電車をジャックし、大々的に訴求する企業もいます。

「東京メトロサイネージ(MCV)大手町千代田線コンコース」

その他の交通広告

DMを出す

法人や個人事業主向けにDMを出すこともBtoB広告の一つです。ただ、個人事業主はリスト化が難しく、法人は決裁権者に届きづらいというデメリットがあります。代表者名は調べればわかりますが、会社規模が大きくなればなるほど届きづらく、また代表者宛には数多くのDMが届いているので、開封されるような工夫がより必要となります。リストの精度も重要です。全国の「業種×市区郡×資本金×従業員数×設立年度」からターゲティングできるDMもあります。

『Dimar』ダイレクトメール

富裕層向けに広告

年収の高い経営者やエグゼクティブが多い富裕層を狙い、企業ではなく間接的に意思決定者を狙う「富裕層向け広告」もBtoB広告の手段の一つです。

首都圏にある高級分譲・賃貸タワーマンション内に設置されたデジタルサイネージへ出稿ができるBtoB広告もあります。マンション管理組合公認という高い信頼度と安心感があり、世帯年収も1000万以上が70%近くなので、BtoB企業からの出稿も多い広告です。

他にも富裕層向けの会報誌やゴルフ場メディアなども富裕層に含まれる経営者を狙ったBtoB広告となります。

「タワーマンション向けデジタルサイネージ」

その他の富裕層向け広告

BtoB広告事例

「SmartHR」

画像引用:「SmartHR・宮田昇始のブログ

クラウド人事労務ソフトのBtoBサービス「SmartHR」は、2020年4月JR首都圏全線の電車内ポスターや、JR新宿駅や東京メトロ都内主要16駅の駅ナカポスターなどにBtoB広告を展開しました。タクシーやビジネス誌にも掲載したとのことですが、代表の「宮田さんのブログ」によると、コロナ禍で外出が減る中でも電車広告を見た人から数多くのツイートで拡散し、テレビCM並みの効果があったとのことです。FNNプライムオンラインやAbemaPrimeなど複数のメディアでも記事にしてもらうなど、時流をとらえたキャッチ・クリエイティブで話題になりました。

電車広告は、多くの人に目を振れやすく反復訴求ができます。特にBtoB企業にとって公共交通機関への掲載は、会社の信頼度やブランディングを高めることができるというメリットがあります。さらにJR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」によると電車内や駅で約7割の人がスマートフォンを使い、LINEやTwitterなどのSNSを利用する人が一定の割合を占めております。モバイルとの親和性が高い電車広告は、SmartHRのように、インパクトの強いクリエイティブによりSNSで拡散されやすく、口コミ等の波及効果が期待できます。

「engage」

画像引用:「エン・ジャパン・en soku!

求人会社エン・ジャパンが運営する採用支援BtoBツール「engage」は、東京ビッグサイトの国内最大級の人事業界イベント『HR EXPO』にあわせて、展示会場近くの国際展示場駅をジャック。りんかい線のホームから改札に上がるエスカレータの壁面に5種類のパネル広告を掲載しました。またゆりかもめ車内でもBtoB広告を掲載しました。エン・ジャパンのブログ「en soku!」によると、HR EXPO展示会にも出店しており、交通広告を通して数多くの来客がありブースは大盛況だったとのことです。

「Brex」

画像引用:「The NewYorkTimes

海外の事例も紹介します。スタートアップ向けBtoBカードを発行する「Brex」は、初期からオフライン広告を有効活用し、シリコンバレーでは知られた存在の非常に有望なユニコーン企業です。サンフランシスコというスタートアップが多い地域で屋外看板を中心に展開し、オンライン広告で収集したデータと組み合わせて最適な広告板をデザインしています。ブランド認知はもちろんですが、費用対効果の面でも非常にポジティブであったと「Bridge」に掲載されています。

また、コロナ禍に非常にユーザー数を増やしたビデオ会議システム「Zoom」も、看板などのオフライン広告を有効活用しユーザーを獲得しました。

大きな差別化になるオフラインBtoB広告

オフライン広告は、オンライン広告に比べると難しく感じるかもしれません。プッシュ型のオフライン広告は、プル型のリスティング広告と同じような費用対効果を求めるのは、BtoB広告でも難しいかもしれません。その分メディアプランニングやクリエイティブなど幅広く独自の戦略を実施することができ、リーチ数も多いことから爆発力は大きく、事業を大きくスケールさせることが可能です。BtoBでは重要なブランディングによる信頼性の向上もオンライン広告より大きくなり、他社との差別化を図ることができます。

効果測定がしづらいデメリットはありますが、数多くの広告メディアを比較し、自社の商品の顧客ペルソナにあった媒体を見つけ、SNSやリターゲティングを使用するなどオンライン広告とセットで施策考える必要があります。


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