電車広告について徹底解説! | 「電車内」という限られた空間で展開できる広告媒体

通勤・通学や旅行など個人での利用頻度が高い電車。電車内には数多くの電車広告が掲載されています。電車広告は、短期間かつ少ない予算で実施できるメニューも多く、的確な路線や掲載個所を合わせることにより、ターゲット層やペルソナに合わせた展開が可能です。

電車広告の種類や効果について解説します。

電車広告とは

電車広告とは、電車の中や車両の外に掲載する広告の総称で、電車を利用する方々へ向けた広告です。通勤・通学での電車利用者や沿線生活者への宣伝告知に活用される広告メディアです。

電車広告は、通勤・通学時など習慣的な電車利用者に何度も広告接触することでき、かつ「電車内」という限られた空間のため、1つ1つの広告が読み込まれやすい傾向にあります。公共交通機関であり、生活に密着した電車広告は、他の屋外広告に比べても、視認性で高い効果を発揮します。

電車広告は、中づり広告やまど上広告をはじめ、ドア横広告、ビジョン広告など種類が豊富です。数日から1ヶ月単位の期間でご利用いただける媒体が多く、短期から中長期での訴求に優れています。また、電車内に長期間掲出されるステッカーや車両をジャックした広告貸切電車など、電車広告は目的に合わせて選択ができます。

路線を選定することもでき、沿線沿いの施設の告知や路線エリアの住民属性をにらんだターゲットを選定した宣伝も可能です。電車広告の効果を最大化するためには、広告の出稿目的を整理し、予算に合わせて、効果的な路線や掲載箇所を選定する必要があります。

電車広告は接触率が高い?

引用:JR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」

JR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」によると1週間当たりの鉄道メディアの接触率は50.7%。電車広告だけでなく、駅広告も含んだ数値ですが、新聞・雑誌への接触率よりも高く、学生に至っては、テレビの接触率が約71%に対して電車広告が66%~71%とテレビに匹敵する接触率となっています。

引用:JR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」

電車広告に限らず、オフライン広告と競合となるのがスマートフォンですが、それに関わりのあるデータも同調査内に掲載されています。電車内での過ごし方は、やはりスマートフォンを使うというのが69.4%と非常に高くなっております。ただ、電車内ビジョンを含め、電車広告を見るという人も約44%とそれに次いで高い数値です。「よくする」という数値が高いということからも、電車広告はユーザーの自然行動の中でアピールできる注目率が高いメディアといえます。

また、この「スマートフォンを使う」「電車広告を見る」が高いという数値を利用し、SNSと連動する広告施策を行う企業が増えております。

引用:JR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」

電車内のモバイル利用者の利用コンテンツの調査では、LINEでメッセージを見るが42%~56%、Twitterを見る・コメントするが19%~24%で、特に女性のほうが数値が高くなっています。電車広告では「QRコード」を入れることのできるメニューは非常に少ないのですが、インパクトのある「バズる」広告で拡散を狙い、ネットに誘導する企業も増えています。

電車広告の種類と特徴

中づり広告

車内中央の天井部よりポスターを吊り下げて掲載する広告で、どの場所からも目につきやすく電車広告の中でも視認性に優れた注目率の高い媒体です。 混雑時でも広告を遮ることなく視認できる位置にあるため、高い訴求が可能です。

中づりの電車広告はB3サイズのポスターで1車両1枚が基本となりますが、左右両側を1枚のポスターで掲載するB3ワイドサイズで表現力を活かしたり、車両すべてに掲載するなども可能。数日から1週間での短期掲出が可能な電車広告です。

短期スパンでできるため、商品・雑誌の発売など新商品・サービスの認知向上や、期間限定キャンペーン・イベント案内などタイムリーな告知などの短期的なスポット広告などに多く用いられます。また、企業ブランディングなどを目的とした掲載も多くなってきております。

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まど上ポスター広告

まど上ポスター広告は、車内上部の網棚付近に掲出するポスター型の電車広告。1ヶ月からの掲出が可能で、電車広告の中では中期での訴求展開に適しています。

目的の駅に着くまで乗客は車内で一定の位置で待機し、乗客の目の前で長時間接触する為、最後まで読んでもらうのに十分な時間を確保でき、毎日の通勤・通学者へ反復した訴求が可能です。

基本は1車両1枚でB3サイズですが、1枚を横に長くしたり、2枚連貼りにしたワイドサイズでの展開したりし、訴求効果を高めることができます。料金設定も他の電車広告に比べ安価で、コストパフォーマンスにも優れています。

路線ごとの絞り込みもできるため、比較的細かいエリアセグメントで掲出ができるも特徴です。沿線に狙いを定めたエリアターゲティングが可能で、沿線沿いの不動産や学校などの広告が多い傾向にあります。最近は、まど上の枠がポスターではなく、サイネージになっている車両も増えております。

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ドア横ポスター広告

ドア横ポスター広告は、車内で特に密集度の高い乗降ドアの両サイドに掲出される電車広告です。目線の高さの位置にポスターを掲出する電車広告で、座席に着いている乗客も立っている乗客もちょうど自然に目に入りやすい位置で掲出されるため、視認性に優れています。注目率が高いので、電車広告の中でも特に人気のある商品のひとつです。

電鉄により異なりますが、B3サイズ、1車両1枚で1週間から1か月程度の短期掲出が可能な電車広告です。中づり広告と同様に短期スパンで広告を訴求できます。

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ドア上ポスター広告

ドア上ポスター広告は、車内で特に密集度の高い乗降ドア上部に掲出される電車広告です。路線案内やインフォメーションのそばにあり、自然に広告を見せる事が出来ます。

掲出期間は電鉄により異なりますが、1か月単位での設定が多く、中期での訴求展開に優れた電車広告ですので、高い反復での訴求効果が見込めます。

車内広告の中では媒体サイズが横長で珍しく、デザインの演出でブランディング効果を出すことも可能なので、継続利用のクライアントが多いメニューとなっています。

ステッカー

ステッカー広告は、電車内に設置されたステッカーの電車広告です。

電鉄ごとに広告商品の設定が異なりますが、車内のドアガラスの窓面に貼るドアガラスステッカー広告や、ドア横に貼る戸袋ステッカー、ドアすぐ上部に位置するツインステッカー広告、 車両を連結する出入口そばの壁面に貼るサイドステッカー広告などが一般的です。

サイズも電鉄ごとにより異なりますが、H165×W200㎜サイズで1車両1枚からの掲載が基本となります。他社の広告と横並びになることがなく、小スペースでも視認性や訴求性が高く、掲載場所が少ないことから希少性の高いメディアです。

掲出期間は1ヶ月と長めに設定されているケースがほとんどで、反復訴求による深いブランド浸透が可能になります。

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つり革

つり革部分に掲出される電車広告です。アドストラップとも呼ばれます。つり革をつかむ乗客の手元に掲出される媒体です。

他電車メディアと比べて立体的な形状で掲載でき、形状にも制約が少なく、連なって広告が掲出されるため、アイキャッチ効果が高いといわれています。クリエイティブ次第でSNS等の連携効果も期待できます。他の電車広告とセットで車両をジャックし、インパクトを強めることも可能です。

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電車内ビジョン(デジタルサイネージ)

電車内ビジョンは、電車内ドアや窓の上部に設置されているモニターを使ったデジタルサイネージでの電車広告です。まだ広告メニューとしては新しく、注目度が高い電車広告と言えます。

天気やニュースなどの合間に広告が流れるため注目を集めやすく、また動画により多くの情報を伝えることができるため、信頼獲得・商品サービスの深い理解を訴求することができます。多彩な表現が可能なので、ブランディングにも優れています。静止画でも掲載が可能です。ただし、音声を流すことができないため、テロップを入れるなどの工夫が必要となります。

1週間から放映が可能で、基本は15秒となります。放映ロール(何分に1回広告が流れるか)は電鉄や場所により異なります。参考までに山手線のトレインチャンネル(乗降ドア上部)の放映ロールは20分に1回です。

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車体広告

電車の車体スペースを利用する電車広告で、車体の両側面に掲出できます。通常何もないスペースに突如現れるので、視線を集めやすく、伝えたい情報を瞬時に視覚に訴えます。

ホーム上で待機する電車利用者だけでなく、屋外への訴求効果も期待でき、企業イメージやブランディングなど強いインパクトを与えます。

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貸切広告

1社の企業で中吊りポスター・ドア横ポスターなど車内の広告すべてを、貸し切りで独占することができる電車広告です。車体広告と組み合わせることもできます。ジャック感を演出し、強烈なインパクトや乗客へ強いメッセージを送る事ができます。

接触した乗客の注目率は抜群で、話題性が高いため、SNSでの浸透効果や企業のイメージアップにも効果的です。1週間からの短期掲出が可能な電車広告になります。

中づり広告や、まど上ポスターなどは1車両1枚で、路線のどの電車のどの車両に乗っても広告が掲載されることになりますが、貸切広告は編成単位です。運行されているすべての電車にジャックされているわけではないので注意が必要です。

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電車広告の効果

電車広告はマス広告に近く、BtoC向けと思われる方が多いと思いますが、BtoBでも効果を出している企業はあります。

クラウド人事労務ソフトサービスの「SmartHR」は、2020年4月のコロナ禍にJR首都圏全線の電車内ポスターや、JR新宿駅や東京メトロ都内主要16駅の駅ナカポスターなどに広告を展開しました。タクシーの動画広告、日経ビジネスや週刊ダイヤモンドなどのビジネス誌にも掲載したとのことですが、代表の「宮田さんのブログ」によると、外出が減る中でも数多くのツイートで拡散し、複数のメディアでも記事にしてもらうなど、テレビCM並みの効果があったとのことです。

電車広告は、

・多くの人に目を振れやすく、反復訴求ができる
・路線を選択できるメニューもあり、費用対効果の向上が期待できる
・歴史ある公共交通機関への掲載は、会社の信頼度やブランディングを高めることができる

というメリットがある一方、

・サイズが一緒のメニューが多く、他の企業との差別化しづらい
・効果測定が難しい
・公共性が高い乗り物なので、審査が厳しい

というデメリットがあります。

ですが、モバイルとの親和性が高い電車広告は、SmartHRのように、インパクトの強いクリエイティブやキャンペーンを通じてSNSで拡散されやすく、口コミ等の波及効果が期待できます。

2020年~2021年のコロナ禍では乗車数が減少していることもマイナスですが、その分格安で出稿できる場合もあります。

電車広告は、種類も路線もさまざまです。近年はデジタルサイネージなどの映像広告が出稿できる路線が増えてきており、クリエイティブに幅を持たせた戦略ができるようになっています。

電車広告を成功させるためには、ターゲット層や広告戦略を明確にし、電車広告全体のメリットデメリットと各商品の特徴を把握し、総合的に検討した上で出稿を決定することが重要です。


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