自治体広告とは?|安価で実施可能な、地域密着型の広告手法

近年盛んになり、全国で注目を集めている「自治体広告」。もっとも一般的な自治体広告である「広報誌」はご存じの方も多いのではないでしょうか?最近では自治体広報誌に加えて、市(区)のホームページバナーや庁舎内広告、指定ゴミ袋広告などもあり、自治体広告媒体の種類は多岐に渡ります。

実は、自治体広告事業が積極的に行われるようになったのは2000年代のこと。話題に上がる機会が増えたとはいえ、まだまだ「自治体広告」と聞いてもピンと来ない人が多いのではないでしょうか。

ここでは、自治体広告についての「具体的にどんな媒体があるのか」「どんなメリットがあるのか」「料金の目安は?」といった疑問点にお答えします。

自治体広告について詳しく知っていただき、新しい広告手段の1つとして是非ご活用頂ければと思います。

自治体広告とは?

一言で言うと自治体広告とは、「自治体が持つ資産に掲載する民間企業の広告」のことです。「自治体が持つ資産」には様々なものがありますが、例えば紙媒体だと自治体が配布する広報誌やゴミのカレンダーなどがあります。広報誌の場合、紙面の一部が広告スペースに充てられており、1枠単位で掲載できます。

また庁舎や図書館などの中に広告掲示スペースを設けている自治体もあります。最近では、市(区)のホームページバナーやイベント協賛、公共施設の命名権(ネーミングライツ)も自治体広告として多く活用されています。

ビズ男
(初心者)

「自治体広告」っていう言葉、ピンと来てませんでした。

「自治体の持つ資産に民間企業が載せる広告」のことなんですね。

ビズパ
先生

聞き慣れない言葉かもしれませんが、意外と身近にあるものですよ。

例えば横浜にある「日産スタジアム」は、日産が競技場のネーミングライツを買い取ってつけられた名前です。

ビズ男
(初心者)

そうなんですね!

スタジアムの名前をつける権利も、自治体広告の一つとは知りませんでした。

ビズ菜
(ベテラン)

ネーミングライツもそうだし、自治体のホームページや広報誌、窓口封筒などのオーソドックスな自治体広告媒体もあるよね。

詳しく見ていきましょう。

 

自治体広告のパターン

自治体広告のパターンには大きく分けて3つあります。

自治体が提供する媒体に、有料で広告を掲載する

冒頭で紹介した広報誌やゴミのカレンダー、役所や図書館の掲示スペースなどに掲載する自治体広告がこれに当たります。自治体が設けた掲載枠に有料で広告を出稿することができ、多くは月・年単位で募集されます。

広告料については、広報誌や市役所内サイネージなどあらかじめ自治体が定めた価格で申し込める場合と、
ネーミングライツ(命名権)のように一定期間の間に入札を行い、最も高い価格を付けた企業が出稿できる入札型の2種類があります。入札型の場合、最低価格が設定されているケースもございます。

 広告を掲載した物品を無償提供する

自治体が用意した媒体に広告を載せるやり方とは異なり、「広告を載せた媒体そのものを無償提供」するタイプの自治体広告となります。最もポピュラーな例として、封筒広告が挙げられます。市役所(区役所)の窓口などで使う封筒に自社の広告を載せ、それを無償で納品するイメージです。

封筒広告については、自治体が設けた有料枠に広告を出す方法もありますので、自社に適した方法を選ぶ事が可能です。

イベントの協賛企業としてタイアップする

自治体が企画するコンサートなどのイベントの協賛企業となり、運営費用を一部負担する自治体広告もあります。この場合、イベント時に配られるチラシやプログラム、イベントホームページなどに広告を載せることができます。

また、無料で企業ブースを出展し、サンプル品やパンフレットを配布する機会がある場合もあります。

「協賛」の位置づけですので、一般消費者からの印象も良く、来場者に直接企業をアピールする場として使うことができます。

自治体広告の業界事情、歴史など

自治体広告は、財源不足に悩む自治体の増加を背景に、公的資産を活用しようと始まった取り組みです。もともと1950年代には、広報誌の広告掲載という形で自治体広告は存在していました。その後自治体広告事業はあまり活発にはなりませんでしたが、自治体の財政難を主な理由として2000年ごろから急速に導入が進み始めます。

自治体から情報を発信することで、市民サービスの向上や地域経済の活性化も期待できる自治体広告は今、全国に広がりを見せています。広告収益を得ている自治体は、約7割にのぼります。

その先駆けとなったのが横浜市です。2004年に自治体広告担当部署を設置し、本格的な広告事業に乗り出しました。その結果、2006年には広告収入が1億円を突破。現在も意欲的に自治体広告事業に取り組んでおり、他地域の自治体もその活動を参考にしています。

ビズ男
(初心者)

自治体広告って、

わりと最近盛んになってきた手法なんですね。

ビズパ
先生

自治体広告自体は長い歴史があるけれど、2000年代から広報誌以外の媒体が急速に増えましたね。今は積極的に自治体広告を導入する自治体の数も多いですよ。

その先駆けが横浜市です。様々な広告媒体を持ち、意欲的に自治体広告事業に取り組んでいます。

ビズ菜
(ベテラン)

でも、

あまり積極的に自治体広告事業を行っていない地域もありますよね。

ビズパ
先生

そうですね。自治体広告の取り組みには地域差が大きく、特に人口の少ない地域では消極的な場合もあります。

ただ、新たな収益を得る手段として、様々な媒体で広告を募集する自治体は増えている傾向にあります。

自治体広告の種類と特徴、料金

自治体広告には多くの種類があり、料金も様々です。ただ、民間の広告掲載料よりも安価であることが多いのが特徴です。どの媒体も地域住民の目に触れる機会が多く、長く保管されやすいものもあるため、自治体広告の費用対効果は高いと言えるでしょう。

自治体広告は、該当地域や媒体の種類によって料金が大きく異なります。ここでは、各媒体の料金目安をご紹介します。

広報誌、情報誌、ガイドブック

自治体から地域住民へ配布される冊子です。地域情報や行政の取り組みなどが掲載され、多くは毎月1回発行されます。

該当地域の全戸に配布されるので、高い訴求効果があります。最近では地域によってデザイン性の高い広報誌も発行されるようになり、注目を集めています。

また、自治体から各家庭に定期的に配布されるガイドブック等にも広告が出せる場合もあります。防災マップや保健福祉・育児・男女共同参画などの分野別の情報誌も含まれ、バリエーションが多いのが特徴です。手元に取っておいて必要な時に見返すことが多い媒体なので、利用者が自治体広告を目にする頻度も高まります。

1/8P枠20,000円〜(大田区『大田区くらしのガイド』)

ホームページバナー

自治体が管理・運営するホームページの一部に、バナーとして出せる自治体広告です。様々な手続き方法や施設の開館日などの情報が載っているため、多くの地域住民のアクセスが期待できます。例えば、横浜市のホームページは、平均月間アクセス数が85万件にのぼります。

また、市や区のホームページだけでなく、図書館蔵書検索ページのバナーも使用できる場合があります。

月額40,000円(横浜市、トップメニュー)

市役所内広告、市役所内サイネージ

出典:館山市

市役所(区役所)に掲出されている自治体広告です。庁舎の屋内・屋外の壁面やトイレなどに多く設置されています。

近年では、電子看板(デジタルサイネージ)も多くみられるようになりました。待合室の窓口呼び出し番号を表示するディスプレイに併設され、待ち時間に自然に目に入るように工夫されたデジタルサイネージもあります。

また、庁舎内のエレベーターの一部に自治体広告を出すこともできます。市(区)職員や庁舎利用者へのリーチが期待できます。

年額30,000円~(館山市、市役所内エレベーター広告)

封筒

出典:佐賀市

自治体から住民に郵送したり、役所の窓口で使われたりする封筒です。保険や健康診断、児童手当など、様々な場面の通知に使われます。

封筒広告は、広告を有料掲載する方法と、広告を載せた封筒そのものを無償提供する方法があります。

1枠50,000円(佐賀市、長3封筒5万枚)

ゴミ袋

出典:館山市

自治体が販売する有料のゴミ袋に、自治体広告を載せることもできます。どの家庭でも使用するため、広告が目に触れる機会もかなり多いと言えます。

 1枠年額40,000〜60,000円(館山市)

ゴミ収集車

出典:大和市

広告がデザインされたフィルムをゴミ収集車の車体に貼り付けます。ゴミ収集車は日替わりで地域のあらゆる地域を走行するため、地域住民の目に止まりやすいのが特徴です。

年額105,000円(大和市) 

公用車

出典:大和市

自治体が持つ公用車の車体に貼り付ける広告です。走行距離はゴミ収集車と比較すると少ないですが、地域住民が目にする機会は多い媒体です。

年額63,000円(大和市)

給与明細

自治体で働く公務員が受け取る給与明細に載せる広告です。毎月手渡しされ、職員の家族も目にする可能性が高い媒体です。

年額67,200円〜(茅ヶ崎市)

その他

その他にも、図書館の玄関マット、母子健康手帳用ビニールカバー、消防施設のシャッターなどユニークな自治体広告があります。

自治体広告のメリット

自治体広告の代表的な4つのメリットをご紹介します。

 高い信頼度

自治体広告は「市役所(区役所)を通じて出される広告」なので、「お役所のお墨つき」というイメージを与えて信頼を得やすいという特徴があります。

実際、各自治体に基準のバラつきはあるものの、一定の掲載基準が設けられています。その基準をクリアした安心・健全な企業であるとアピールすることができるのです。

高い認知度

自治体から全戸に配布される冊子や資料などに自治体広告を出す場合、該当地域の住民にくまなく認知してもらうことが可能。また情報冊子などの場合、チラシやDMのようにすぐ捨てることなく、長期間保管する家庭が多いので目に触れる機会も増えます。

市役所やゴミ収集車などに広告を載せる場合も、地域住民は頻繁に目にします。そのため、地域に根づいたビジネスをしている企業にとって、自治体広告は特にメリットが大きいと言えます。

比較的安価な掲載料

他の媒体と比べて、安価な掲載料が設定されていることが多い自治体広告。例えば広報誌では、一般紙に比べて発行部数に対する広告料金が割安なケースが多くあります。

大きな予算をかけずに掲載できる点は、自治体広告の大きなメリットの一つです。

ビズ男
(初心者)

自治体広告が民間の広告掲載料よりも安価、というのは大きなポイントですね。

盲点でした…。

ビズ菜
(ベテラン)

該当地域の住民に広くリーチできる媒体も多いので、

地域に根付いた企業にとって特にメリットが大きいと言えますよね。

ビズパ
先生

広報誌から自治体職員の封筒まで、様々な媒体のレパートリーがあるのも良いですね。

訴求効果と費用のバランスを考えて、自社に合ったタイプの広告を選べるのも自治体広告の強みと言えるでしょう。

ビズ菜
(ベテラン)

「自治体が認めた企業」という印象を与え、

企業のブランドイメージが高まる点も見逃せませんね。

自治体広告の注意点

様々なメリットがある自治体広告ですが、実施には注意すべき点がいくつかあります。

 自治体によっては広告を受け付けていない

多くの自治体が自治体広告を導入しているとは言え、全ての地域で取り扱っているわけではないのが現状です。主に人口の数によって、積極的に自治体広告事業を推進している地域と、まだ取り組みが始まっていない地域があります。

自分が実施したいエリアの自治体が募集をしていないケースもあります。また、出稿を該当エリア内の企業のみに絞っている自治体広告もありますので注意が必要です。

 掲載基準をクリアできない場合がある

掲載基準は自治体によってかなり差がありますが、各自治体の基準に照らし合わせて自治体広告の審査が行われます。

市民サービスの一環として配布されている広報誌や封筒などに掲載する広告ですので、厳格な審査の元、広告出稿可否が決まるケースが多くなっています。一般的なフリーペーパーや雑誌に比べても、審査基準が厳しい場合も多く、結果、基準がクリアできず広告掲載を諦めざるを得ない場合もございます。

例えば、ある自治体では、下記のような業種は掲載NG業種として挙げています。

・風俗営業店
・ギャンブルに関する業種
・投機的商品に関する業種
・たばこに関する業種
・占い・運勢判断に関する業種 など

ビズ男
(初心者)

地域や業種によって、

自治体広告を掲載したくてもできない場合があるんですね。

ビズパ
先生

地域によって、自治体広告への取り組み内容はかなり差がありますね。

また、自社の業種が自治体広告掲載基準に抵触していないかどうか、事前に確認することも大切です。

まとめ

自治体広告は、ここ20年ほどで急速に広がり注目を集めてきた広告手法です。自治体広報誌が主流だった頃に比べ、使用できる媒体の数も急増。印刷物だけでも水道料検針票、成人式案内通知などを含め20種類以上存在します。

自治体が所有する媒体は多岐に渡る上、必ずと言っていいほど地域住民の目に触れるものばかり。特に地域に根ざしたビジネスを展開している企業にとって、市民(区民)に集中的に訴求できる自治体広告はメリットが大きいと言えます。

取り組み内容に地域差があり、改善の余地も残る自治体広告ですが、賢く利用すれば高い訴求効果を得られます。ぜひ一度、該当自治体の自治体広告への取り組みをチェックしてみてください。


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