【2022年3月版】ネットで話題となった面白い広告5選 | 電車のフロアがスマホのアラーム画面に

インターネット上で話題となった面白い広告をまとめました。
今回は2022年3月に話題となった広告5選についてご紹介します。

ロートZ トレインジャック

ロート製薬が実施した目薬「ロートジーシリーズ」のトレインジャックが面白いと話題になりました。

広告ジャックされた東京メトロ銀座線の車内

「ロートジーシリーズ」は目の疲れや充血などのトラブルからリフレッシュさせてくれる“目覚めるような清涼感”が特徴の目薬。今回の広告には、2022年3月から放送が開始した新CMに出演しているチョコレートプラネットの二人と金子みゆさんが登場しています。

全体的にロートジーのカラーでもある青が目立つ車内。白文字で「朝、ムリ。」などのユニークなコピーが記載されています。中でも特にインパクトがあったのはスマートフォンのアラーム画面をモチーフにした広告。よく見ると数分おきにたくさんのアラームが設定されており、すっきり起きれない状況でも時間に追われている様を表現しています。

朝に二度寝をして起きられない大半の理由は、目の渇きを眠気と勘違いしているからなのだそうです。そんな二度寝したくなる時こそ、目薬をさせば一発で目が覚めるという知識を広げたいという思いが込められた広告でした。
このユニークな広告貸切電車に乗った多くの人々がネット上でコメントしていました。

アラーム画面が延々続くポスターやシンプルなコピーのみが記載された広告など、最初は何の広告かわかりにくいですよね。しかし、このわかりにくさが多くの人の興味を引いているのかもしれません。
広告には「朝から時間に追われる人々の疲れ目などへ、ロートZ!が応援していることに気が付いてほしい」という思いも込められていたそうで、数分おきに設定されたアラーム画面は朝が弱い人々の共感を得た広告だったのではないでしょうか。

Eve「廻人」トリックアート風広告

東急田園都市線渋谷駅構内に掲出された広告

シンガーソングライター・Eveのメジャー3rdアルバム「廻人」の大型広告が話題になりました。

Eveは2009年からインターネットを中心に活動しているアーティストで、テレビアニメ「呪術廻戦」の主題歌に起用された「廻廻奇譚」がデジタルセールス30万DLに達し大ヒットとなり、今注目を集めています。2022年3月16日にはこの「廻廻奇譚」を収録した3rdアルバム「廻人」を発売。話題の広告はこのアルバムのPRとして、東急田園都市線渋谷駅、大阪梅田駅、JR名古屋駅、JR仙台駅、西鉄福岡(天神)駅の5つの駅の構内に掲出されました。話題となった理由はこの広告を正面から見ると気づくことができます。

正面から見ると、平面のポスターではなく、奥行きがあるように見えるトリックアートとなっていました!
この珍しいトリックアート広告はファンを中心に多くの人が写真撮影し、SNSなどで拡散。広告が掲載された各都市からトリックアート広告の写真が投稿されていました。

奥行きのある中央にはアルバム「廻人」のジャケットのイラストが掲載され、Eveの音楽の世界に誘われているような感覚に。ファンでなくとも写真に撮りたくなるような広告でした。

面白い見え方でインパクトを与えている広告としては、2022年1月にご紹介した明治プロビオヨーグルトR-1の受験生応援広告に近いものを感じました。今後もこのような視覚的にユニークな広告がどんどん登場しそうですね。

明治プロビオヨーグルトR-1の受験生応援広告については以下の記事をご覧ください。
【2022年1月版】ネットで話題となった面白い広告5選 | 受験生に送る応援メッセージ

ピーターラビット120周年 サスティナブル広告

東急田園都市線渋谷駅構内に掲出された絵本「ピーターラビットのおはなし」の出版20周年記念の大型広告がネットで話題になりました。

東急田園都市線渋谷駅構内に掲出された大型広告

絵本「ピーターラビットのおはなし」シリーズは絵本作家ビアトリクス・ポター氏により描かれた名作で、1902年に出版されました。今回の広告は、出版120周年を記念して掲出されました。広告には絵本に出てくる様々なイラストが掲載され、可愛らしいキャラクターたちが120周年を喜んでいるようです。
ただ可愛らしいだけでなく、とてもサスティナブルな広告であるということも、話題になった理由の一つ。実はこの広告は廃棄野菜や果物を原材料の一部とした土に還る自然に優しい紙「Food Paper」が全面に使用されているのです。

(左)みかんを再利用した紙を使用 (右)にんじんを再利用した紙を使用

紙の素朴な質感がピーターラビットのイメージとぴったりで、ピーターラビットらしい広告となっています。
このエコな広告を見た多くの人がネット上で拡散。可愛いだけでなく、環境にも配慮されている点について多くの人が評価していました。

ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポター氏は、絵本の印税収入でイギリスの湖水地方の土地を購入し、4,300エーカーを超える土地を自然保護団体に寄贈するなど、自然保護活動に力を入れていました。その想いを引き継ぎ、記念すべき120周年を迎える今年、「Food Paper」の広告が実施されました。

出版から120年たった現在でも、世界中の多くの子供達に親しまれているピーターラビット。このピーターラビットの取り組みを通じて、大人から子供まで幅広い人々が自然環境保全について今一度考えるのではないでしょうか。
様々な企業や自治体がSDGsの活動に積極的に取り組んでいる今だからこそ、ネット上でも話題になったのだと思います。

青森県「青森ぽかぽか総選挙」

青森県が日本経済新聞・読売新聞・朝日新聞の朝刊に掲載した新聞広告「#青森ぽかぽか総選挙」が話題になりました。

日本経済新聞朝刊に掲載された新聞広告

今回の広告では、「#青森ぽかぽか総選挙」と題して、青森県民108名分の「おもてなしの公約」を掲載。青森県民おすすめの場所や名物などを知ることができるだけでなく、青森県民の人達の温かい人柄が伝わってくる広告となっています。

この広告は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ観光需要を喚起することを目的として制作されました。県民を対象に実施したアンケートによると、約89%の青森県民が「観光客を前向きに受け入れたい」と回答。この県民の想いを全国に届けるとともに、気軽に旅できる日々が一日も早く戻ってきてほしいという願いが、この広告には込められています。

この新聞広告は多くの人に注目され、話題になりました。

・県民からおてなし公約を募集して発信って、なんか心に残っていい取り組みやな。
・おもしろい広告だね いいね、青森!
・#青森ぽかぽか総選挙というほのぼのとした見開き全面広告に心を癒やされた
・気軽に旅ができる日々が、 早く戻って来ますように。

さらに青森県出身者や青森県民の方々の間でも話題に。

りんご、せんべい汁、青森ねぶた祭、十和田湖、弘前城など、青森県の魅力は多いですが、一番の魅力は『人』なのだというのが伝わってくる広告でした。観光で青森を訪れたくなるのはもちろん、青森出身の方が青森に帰郷したくなる広告でもあったのではないでしょうか。

充レン U-20%得スロキャンペーンイベント

渋谷駅構内に掲出された駅貼りポスター広告

渋谷にて実施されたモバイルバッテリーレンタルサービス「充レン」のキャンペーンイベントが話題になりました。また、このキャンペーンのPRとして渋谷駅構内に駅貼りポスター広告が掲出されました。

「充レン」は東京電力エナジーパートナー株式会社が運営しているモバイルバッテリーレンタルサービスです。街中に設置されているレンタルスタンドから手軽にモバイルバッテリーをレンタルでき、返却の際はレンタルした場所とは異なるレンタルスタンドにも返却可能。現在、首都圏を中心に設置場所を増やし、全国展開も視野に入れている注目のサービスです。

今回、渋谷にある「MAGNET by SHIBUYA(マグネットバイシブヤ)109」で「充レン」の認知度アップを目的としたイベント「U-20%得スロキャンペーンイベント~回して、充たせ~」を開催。期間中はブース内の「充レン」を無料で利用でき、ほかにも様々な豪華景品が当たる巨大スロットゲームが登場しました。この巨大スロットゲームはスマートフォンの充電残量に応じて当選確率が異なり、充電残量20%以下であれば、景品が必ず当たるという面白い仕組みになっていました。

さらにこのイベントにはZ世代に人気の7人組アーティスト、7ORDERの森田美勇人さんと安井謙太郎さんも来場し、ファンを中心に話題になりました。

そして渋谷駅構内にはこのイベントのPRとして駅貼りポスター広告が掲載されました。黒地にピンクや黄色、青の色合いがとても目立つ広告となっていました。

渋谷駅構内の階段壁面に掲出されていた駅貼りポスター

7ORDERのファンからの拡散が多かったようですが、「充レン」というサービスのPRにはとても効果があったように思います。「充レン」サービスの無料提供や巨大スロットゲームなど、最初は興味がない人もイベントに行ってみようと思わせる内容だったのではないでしょうか。

渋谷駅構内に掲出されたポスターは「充レン」を知らない人にとってはとても気になる広告だったと思います。充電残量20%以下なら景品が必ず当たるという設定も、スロットゲーム後の「充レン」利用を促す、考えられたPR方法でした。

まとめ

2022年3月は見る人が出かけたくなるような広告が多かったように感じます。写真ではなく現地で直接見たくなる広告が多かった印象ですし、観光地やイベントなどのPR広告も魅力的でした。

ロートのトレインジャックはインパクトだけでなく、見る人をクスッと笑わせるユニークな広告でした。
廻人のトリックアート広告は自分も一緒に写真に写りたくなるような広告で、ネットで拡散しやかったのではないでしょうか。

青森県の広告は新聞広告だけあって青森の情報が満載の見ごたえのある広告でした。反対に「充レン」の広告は情報はイベントについてのみで、サービスについての情報がなく、渋谷を訪れるZ世代の興味関心を引くものだったように思います。

ピーターラビットのサスティナブル広告はSDGsの活動が充実している今にぴったりの広告でした。「自然を大切に」などの直接的な記載はありませんでしたが、メッセージ性の強い広告だった印象です。

話題になった面白い広告について、以下の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。
面白い広告まとめ | ネットでバズった話題の広告


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